
みゆわ
@miyuwa
2025年4月1日

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫 イ 1-2)
カズオ・イシグロ,
小野寺健
買った
かつて読んだ
感想
読書日記
会話劇としての印象が大きい。
所々に垣間見える日本の軍国主義批判や家父長制批判と思われる箇所もあったが、それらがこの本の主たる主張とは思わない。
この作品も「私を離さないで」と同じく、会話劇を追い続けて次第に読者が何か別のことに思いを馳せたりする瞬間に、この作品の狙いが置かれているような気がする。悦子のとても控えめで良妻賢母であろうとする直向きな姿勢に、私自身祖母のイメージを重ねざるを得なかった。読んでいる間はずっと祖母のことを考えてしまう、そんな私の記憶や思い出に簡単にアクセスしてくる作品だった。このような作品の魅力は人に伝えるのがとても難しい。ただ素敵な作品だった。