遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫 イ 1-2)

46件の記録
- ショートストップ@tabine_sora2025年9月17日「今の子供たちは、どうなると思う。何が大切なのかということを学校で教わらないーーまあ、人生に何でも要求しろということは、教わるんだろうがね。家へ帰れば、母親が父親の支持する政党に投票しないというんで、夫婦喧嘩をしている。何たるざまだ」 「ところがその人、両腕を持ち上げて、水の中に浸けていたものを見せたのよ。それが赤ん坊でね。わたし、万里子をつかまえると、路地から飛び出したの。(…)そして、その人が自殺した噂を聞いたわけだけど、それは二、三日してからだったの」 「じつはね、その女の子はブランコになんかのってないの。初めはのってるみたいな気がしたんだけど。でも、のってるのはブランコじゃないの」 「じつを言いますとね、ぼくはあなたのお仕事のある面についても知っているんです。たとえば西坂の教師が五人、馘になって投獄されたでしょう。一九三八年の四月でしたかね」 「とにかく、時には賭けなくちゃいけない場合があるわ。お母さまのしたことは正しかったのよ。ただ漫然と生きているわけにはいかないもの(…)漫然と生きてる人たちなんてみんなバカだわ」 https://x.com/tabine_sora/status/1968348553279164769?s=46
- 散策舎@sansakusha2025年9月16日読み終わった初見では会話の噛み合わなさに、なかばイライラしながら読んだ。読み終えてもよくわからない話、でもその「わかり得なさ」こそが文学だ。 先日ブックハウスひびうたの村田さんといつもの読書会で取り上げた一冊、語り合った様子はインスタかどこかでお届けしたい。 ちょうど映画もやっているから、どうような解釈や表現になっているのか見に行きたいな。
- โยโกะ@yookoom2025年8月9日読んでる読み終わった数十年前に読んだ時より面白い。たぶん他のイシグロ作品を知っているせい。 意味が不明瞭なところは原書にあたるとすぐに解決する。人物名が漢字表記だから翻訳の方が読みやすいとは思う。
- 夏至@pixied82025年8月1日読み終わった途中まで読んで積んでいたが、映画公開が近くなったので読み直したら先が気になって3日くらいで読んじゃった。舞台が日本であるためか、違和感のある日本語の会話のためかなんか今まで読んでたイシグロと違う…と思っていたが、いやいや戦後だから小津映画か、確かに原節子で脳内再生したらなんとしっくり来る!むしろ戦後の空気感伝えるのに翻訳がうますぎると途中から唸ってた。内容もちょっと信頼できない語り手的というか価値観が変わることで過ちを犯したかもしれないという思いがはっきり書かれはしないが見え隠れするのはイシグロっぽい。明らかにされていない部分が多いが、ようやく最後の方になって悦子と佐和子の人生のリンクに気づいた。
- 夏しい子@natusiiko2025年7月31日読み終わった佐知子は今でいう毒親のような母親だけど 悦子も不気味なぐらい感情の薄い人だなと感じた。 蜘蛛を食べようとする万里子と それを止める悦子のやり取りでは読んでいてイライラしたが 万里子をちゃんと分かるように止めることの出来ない悦子の人としての薄さと それを見透かしているような万里子の賢さが見えたシーンだとも感じた。 終わりに家を売ることを考えていると悦子が言うと、ニキは「いい家なのに酷いわ」と言う。 母親も実家もあまり寄り付きたくはないが無くなるのは困るというニキの勝手な思いが透けて見えたように感じた。
- 拓洋舎@hallelujah10252025年7月2日読み始めた映画化@ 自宅9/5公開の映画『遠い山なみの光(A Pale View of Hills)』原作 監督・脚本・編集:石川慶(『ある男』) 出演:広瀬すず・二階堂ふみ・吉田羊
- うみぶどう@umibudou2023年9月13日読み終わったかつて読んだモヤがかかった先にある風景を目を凝らして見ているような不思議な感覚に陥った。 登場人物たちのかみ合わない会話、暗示めいた細部の描写、どこまでが本当のことかわからない回想など不穏な空気感にズズズと引き込まれる。傑作と感じた。
- みけ@積読三昧@natsumemike_20251900年1月1日読み終わった映画化されたのを機に積読解消。 終わりの方でアレッ?と思う発言があり、慌てて読み返すとちょっとミステリ風、というより「意味がわかると怖い話」みたいな感じ。万里子が二回も悦子に怯える場面があるのは何故?とか。ブランコに見えたけどそうじゃない、もそういう意味?だとするとえぐすぎるのだが。