
小鳥
@kotori____journal
2025年12月31日

BUTTER(新潮文庫)
柚木麻子
読み終わった
まだ暑い季節に購入し
しばらく積んでいた『BUTTER』
あの頃はこの本の纏う圧を
受け止める余白が
まだなかったのだと思う
年末の今読むと
不思議なほど静かに沁みてくる
この物語は
前に進むための物語ではなく
立ち止まって
自分が何を選び
何を引き受けてきたかを
見つめ直すための物語
読む側の経験を
静かに問い返してくるから
読み終えても
思考が終わらない
年末に読む本としてふさわしい一冊だった
………………………
年末の静かな時間にここまで深く対話できる一冊に出合えたことは、とても豊かなことだと思う。
個人的に面白いなと思ったのは、年末のこの時期に読んだことにより(積んでいた時間も含めて)、読書体験が完成したということ。
自分はどこに向かい、何を選びとって生きてきたのかを無意識に考えるこの時期には驚くほどしっくりくる本であった。
読み応えあり、かつ年末感ありで、なんともいえない読後感。食描写の情報量が多いだけではない。「飯テロ」という単なる空服を刺激するそんな言葉では片付けられない、食に対する違和感のある描写。食という抗えないからこその怖さをつきつけられる。食描写なのに気持ち悪いという感覚。あとからこういうことだったのかと…自分が何を欲して生きているのかを問い返され、考えさせられる物語であった。

