
氷うさぎ
@yomiyomi
2025年12月31日
人間の条件
ハンナ・アレント,
牧野雅彦
読み終わった
「思考は、おそらく頭脳の活動だが、生命そのものとともに終わる過程であるという点で労働に似ているし、労働よりさらにその「生産性」は低い。労働は永続する痕跡を残さないが、思考は手を触れることのできるようなものすら残さない。思考それ自体は、何かの対象に物質化されることはない。精神労働者が自分の考えていることを明らかにするには、他の仕事と同じように、まず手を用いて、技能に習熟しなければならない。言い換えれば、思考と仕事は別々の活動であって、同時並行的に行うことはできないのである。思考する人間が自分の思想の「内容」を世界に知らせるには、まず思考を停止して、自分の思考したことを思い出さなければならない。ここでは、想起という営みは、他の多くの場合と同じく、手を触れることのできないもの、不毛なものを最終的に物質化するための準備である。仕事の過程は、こうした段階から始まる。」p. 159
