
読書猫
@bookcat
2025年10月28日
言語化するための小説思考
小川哲
読み終わった
(本文抜粋)
”この国に法律が存在しているように、小説にも法律がある。(中略)問題は、「小説法」が人によってまったく異なることだ。“
“何が同じで、何が同じではないか。何が普遍的で、何を普遍化してはいけないか。その点に注意しながら、僕たちは知らない世界について書く。“
“文章で何かを表現するとき、「順番」をどうするか決める必要がある。というか、僕は「順番」を決めること以上に重要な要素はない、と考えていたりもする。”
“小説とは、いわば文脈をコントロールする技術でもある。”
“小説の書き手にとって唯一の手がかりは「自分が面白いと感じるかどうか」であるのに、小説を評価する基準は常に「読者(他者)が面白いと感じるかどうか」であり、この「原理的に埋められない差」が埋まらなければ、小説は面白くならない。”
“アイデアは生みだすものではなく、見つけるもの──すなわち「視力」である、と僕は考えている。”
“理解できないものが流行しているということは、まだ知らない「小説」を探すチャンスでもあるのだ。”
“大事なのはどうやって自分の脳内に存在するものを他者に伝えるか、どうして小説という形式を選んだのか、という点を常に意識することだ。”
“僕が生まれて初めて小説を書き上げたあと、最初にやった推敲は「自分のために存在している文章」をすべて削除することだった。”
“小説は「作者が何を表現したか」ではなく「読者が何を受け取ったか」によって価値が決まる。”
