
傘
@umbrella__um
2025年3月8日

ゼバスチアンからの電話新版
イリーナ・コルシュノウ,
石川素子
読み終わった
2000年代以前に書かれた話なのに、古さを感じさせない。
個人的には、はじめはゼバスチアンに対して「勝手な人だな」と思っていたのだが、読み進めていくうちに、ザビーネの彼に対する思いと同じくらい、ゼバスチアンがザビーネのことをどう感じていたのかが想像できるようになった。同時に、自分にも物語の始めの頃のザビーネ、もしくは母親のロッティと同じような考え方が気づかぬうちに内面化されていたことに、愕然とした。
知らぬ間に自らに植え込まれてしまった価値観の中から、本当の自分の意思を見つけ出し、それを抱えて立って歩こうとするザビーネを応援したくなるとともに、勇気づけられた一冊だった。