橘海月 "イン・ザ・メガチャーチ" 2025年12月28日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2025年12月28日
イン・ザ・メガチャーチ
推し活にのめり込む側とそれを仕掛ける側、離婚した娘との会話に詰まる父親と、留学を希望するも他の学生と比較して積極性が足りず悩む娘。彼らがあるアイドルグループの売出しに巻き込まれる形で話は進む。ブームとなった性格診断も含めてまさに今の物語。 冒頭の久保田の情けない日常と「…今後還ってくるのは、これまでやってこなかったことのほうかもしれない」のセリフが、仕事に再びやりがいを持った時に生きてくるのが上手い。その上で喰らわされるあの状況も。掌返しなのは彼の周りだけでなく、久保田本人もだから。でもあの結末でよかったと思う。彼がずっと逃げていたものに対峙できますようにと願わずにはいられない。 それにしても、朝井リョウの本を何冊も読んでいると「この作家は歳を取らないのか?」と思うほど“今”を描いた物語が多いし、若者の解像度が高く感じる(これに関してはあくまで中年の私の感覚なので、ぜひ娘が読んだら彼女に聞きたい)そして容赦ない。ここは著者への率直な感想であり賛辞なのだが、本当に容赦ないのだ、色々と。
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