
きなこ
@kinako2025
2026年1月1日
「なむ」の来歴
斎藤真理子
読み終わった
韓国文学
尊敬する翻訳家 斎藤真理子さんのエッセイ集。彼女があとがきで言っているように、まるで「寄せ植え」のような本。本人は謙遜して少々自虐的にそう説明しているのだけれど、多種多様な植物が植えられている、読者にとって心に栄養満点の書籍なのだと思う。
彼女が沖縄にも住んでいたというのは、確かハン・ガンの『別れを告げない』の訳者あとがきで読んだような気がする。小説の舞台の一つである済州島の方言を日本語訳にする時に、最初は沖縄方言にしようかと思っていたとあったと思う。(現物が手元にないので確認できずうろ覚え)
その沖縄在住時の色々も書かれていて、作者の胸に刻まれた記憶の重なりを読んでいて、沖縄戦の壮絶さを思い、胸が詰まる。
私が全く知らなかった作家、作品、詩、それから知っていても作品を読んだことがなかった作家など、数多くの文学に関する情報に溢れていて、読みながらうれしい悲鳴をあげる。
あとがきに書かれている彼女の復刊された詩集『ただ一つの雪片』(단 하나의 눈송이)は手元にあるのだが、まだ読めていない。今年こそ挑戦したいが......。
斎藤真理子さんの中に積まれた数々の知識がご褒美のように提供されていて、胸を高ならせながら読了。実り多い歯応えのあるエッセイで満腹満腹。




