"バベル オックスフォード翻訳..." 2025年12月31日

楡
@etemotust
2025年12月31日
バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下
翻訳の話であることはもちろん、暴力と殉教の話だった。上巻の時点では予想してなかった。 「銀と、ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる翻訳の魔法」が大きな力を持つということは、ふたつの言語を深く理解したものが大きな力をもつということ。異なる言語をそこまで深く理解することは、対話や相互理解に繋がるかに思えるのにそうはならないのが、この物語の人類に向けた問題提起であり皮肉にも思える。 翻訳とは対話でありわかり合おうとすることだと語ったのも、ロビンの殉教を諌めたのもラミーであり、ラミーを失って転がる岩のように転向していくロビンの姿がかなしくうつくしい。 最後まで力強く歩み続けるのが、黒人女性という4人のなかで最も社会的に弱い立場であるヴィクトワールだというのも作者の意志を感じる。
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