"美しい星" 1900年1月1日

咲
@lunar_mare
1900年1月1日
美しい星
美しい星
三島由紀夫
わたしは数年ごとに金閣寺と美しい星を行ったり来たりして、好きを深めて興奮する趣味があるらしい。 ◉の話。破滅の話。美の話。 白鳥座三人衆との議論が凄まじい。 人類の5つの美点。 「彼らは嘘をつきっぱなしについた。彼らは吉凶につけて花を飾った(幸福が瞬時であることは認めながら、同時に不幸も瞬時であってほしいと望んだ)。彼らはよく小鳥を飼った。彼らは約束の時間にしばしば遅れた。そして彼らはよく笑った(虚無がいちいち道化た形姿を示すたびに、彼らは笑った)。」 こんな眺めが宇宙から消えるのは、残り惜しいことではないだろうか。 「人間は全然、生きたいという意志など持ってはいない。 生きる意志の欠如と楽天主義との、世にも怠惰な結びつきが人間というものだ。 『ああ、もう死んでしまいたい。しかし私は結局死なないだろう』これがすべての健康な人間の生活の歌なのだ」 「人間はもうおしまいだ」 「救済は決して来ない」 「いなくなった人類万歳!」 物語の終焉。 銀灰色の円盤が、息づくように、緑いろに、又あざやかな橙いろに、かわるがわるその下辺の光りの色を変えているのが眺められた。 三島由紀夫が広げる思想の大風呂敷に包まれて、呆気にとられたまま崩折れる。 好きだ。
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