
橘海月
@amaretto319
2023年11月18日
アリアドネの声
井上真偽
読み終わった
#ミステリ
ミステリでもあり、サスペンス要素も強い本。主人公高木はドローンの講師を務め、操縦の腕前は一級。要救助者は地下にいて、使えるのは最高設備のドローン。だが救助者の彼女は、見えない聞こえない話せないの障害があって…。
何度もピンチに陥りつつ、その度に機転を効かせて前に進む高木。だがその都度ドローンもダメージを負い、カメラの故障で視界も失う。かろうじて点群データとサーモで、要救助者と周りの様子を確かめながら前に進む。ハラハラの救助を描くサスペンス要素と、途中抱くある疑問へのミステリのバランスがよい。
主人公高木が幼い頃に兄を亡くした辛い過去と、それに纏わる同級生との苦い記憶が絡みつつ、要救助者への疑惑も全てラストに集約されるのがよかった。これこそミステリを読むカタルシス。そうか、そうだったのか…完全に気づかなかった。救助シーンの緊迫感で、疑惑を考察する暇もないのが功を奏してるなとも思う。