
橘海月
@amaretto319
2023年10月8日
捜査線上の夕映え
有栖川有栖
読み終わった
#ミステリ
作家有栖シリーズの長編で、コロナ禍の実情をリアルに描写した小説…。だが、著者のファンな私でも「果たしてこれがこのミスの3位か…?」となるのはやや疑問。コロナ禍の日常や旅行への飢えは共感するも、ミステリ部分の佳作感は否めない。助走が長過ぎるのも一因。
個人的に一番の衝撃は、犯人がわかる瞬間でもトリックが判明する瞬間でもなく、単行本312ページの五行目。おお!そうきたか!で、半分眠りかけていた頭が一気に覚醒した。この衝撃は確かによかった。次にいいなと思ったのは、犯人が事件後に複数回行っていた小細工。だからあえて、そうしていたのだなという部分。違和感の正体。
ミステリとしてはあまりおすすめできないけど、コロナ禍の閉塞感をうまく描いた点では評価できる。事件を追う刑事ですら、マスクをつけて外して密を避けて…と涙ぐましい努力をしており、目撃者を探そうにも皆自宅に篭り不要不急だった時期。既に若干懐かしさを覚える当時の描写がリアル。