時雨崎 "異常【アノマリー】" 2026年1月1日

異常【アノマリー】
異常【アノマリー】
エルヴェ・ル・テリエ,
加藤かおり
これは何のジャンルだろうかと一晩考えたけど分からなかった。 斜線堂有紀さんによる解説を読んでまた唸っている。 読み手に委ねられている。大雑把に言えば群像劇。一人一人に人生があり、とある出来事で交差する。 その出来事自体はSFっぽいけど、それはこの話の主題ではないと感じた。 「何故、それが起きたのか」 ではなく 「もし、こういう形で自分とその人間関係に向き合わなければならなくなったら?」 という問いに対する思考実験、哲学的な話なのかな。3部構成で各人の心の動きを様々な文体を用いて描いている。同テーマの小説を違う軸で同時に読まされている気分。 どこまで咀嚼できるかは読者の感性次第。この話では中心となる主人公はいないとも言えるし全ての人間がそうとも言える。すごく奇妙。 「このシミュレーションは海の動きに興味があるのであって、水の分子のそれぞれがどう動こうが知ったことではありません」 という比喩が出てくるけど、この小説のほとんどはずっと海の動きを観察する視点を無視して水の分子の取るに足らない動きを描いている。 パイロットの話は…そうなっちゃうんだ… 前フリがあってオチがある物語カタルシスは無く、人間模様や情緒それ自体の深みを味わうもの…純文学的楽しみか…?やはり難しい。 第3部のタイトルは映画パロディにしているっぽいけど全部は分からなかった。 ・ソフィーの世界 ・007は二度死ぬ ・バットマンvsスーパーマン ・ボブ・ディランの頭の中
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