橘海月 "トリカゴ" 2023年8月27日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2023年8月27日
トリカゴ
トリカゴ
辻堂ゆめ
児童虐待のニュースにショックを受けた、幼い里穂子。彼女は成長し刑事となった。ある殺人未遂事件の容疑者ハナが実は無戸籍で、同じ無戸籍ばかりのコミュニティで暮らしていると知った里穂子は、彼女が24年前に行方不明になった児童虐待の被害者では?と疑うが…。 あくまで事件の捜査だから…と自身に言い聞かせながら、無戸籍で働き暮らす彼らに興味を抱く里穂子の気持ちが、手に取るようにわかる。役所に相談すればいいんじゃ?という安易な考えも、当たり前に恩恵を受けてる自分をなんとなく後ろめたく思うのも。そういった状況を知識として知っているのと、理解するのは別なのも。 話が進むにつれ、当初の事件の捜査よりも、彼らの過去や今後の方に重きを置く里穂子の心の揺れがわかるだけに、謎が解けた衝撃と胸クソ感が凄かった。どこかで私も冒頭の里穂子のように、優しい世界を求めていたのだろう。そうかそうきたか。これはキツい。理不尽を煮詰めて絶望を叩き込まれた後の、一筋の救いが希望。
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