
橘海月
@amaretto319
2023年5月27日
滅びの前のシャングリラ
凪良ゆう
読み終わった
伊坂幸太郎『終末のフール』を彷彿させる、隕石が衝突し、人類が消滅する中でのそれぞれを描いた中編四つ。いじめられている男子、ヤクザになり損ねたおじさん、シングルマザー、歌姫。彼らの不思議な繋がりが、人類滅亡の状況ゆえに語られるやるせなさ。
全編読んで感じたのは、隕石が衝突しなければ有り得なかった未来を、各登場人物が必死に生きていること。好きな子に関わることすらできなかった、元恋人に会えなかった、子育て以外に思いを馳せられなかった、歌うだけでしかなかった、彼らの。今更だけど、やりたいことをやるその必死さに心打たれる。