橘海月 "おはようおかえり" 2023年2月12日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2023年2月12日
おはようおかえり
大学に行かず実家の和菓子屋を手伝う姉の小梅と、大学でアラビア語学科に進み、エジプト留学を目指す妹のつぐみ。外交的な妹と内向的な姉、正反対で接点がなくなっていた彼女らの日常が、地震の朝つぐみに曾祖母の意識が入り込んだことで変化して…。 読みながら物語がどこに向かおうとしているのかさっぱり見えず、ただ登場人物達の息苦しさがひどく伝わってくる話だった。著者はこのもどかしさや息苦しさを描く事が多い。日常が何も悪いわけではない、でも最良かと言われるとそうではない。一見やりたいことをしている側にも息苦しさはある…と淡々と。 それでも後半で、曾祖母の心残りがなんとなく解決し、ふと知り合った人の店を手伝い、つぐみが旅立つとなった時に、主人公をとりまく状況は何も変わっていないにも関わらず不思議な清涼感がある。内面の変化ももちろんあるだろうが、様々な危機を乗り越えた達成感が主人公に自信を取り戻させたような。
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