
橘海月
@amaretto319
2022年12月13日
ランチ酒
原田ひ香
読み終わった
孤独のグルメのランチ版かなと思いつつ軽い気持ちで読み進めると、予想外に重い内容にぐいぐいと惹き込まれた。祥子はバツイチで一人暮らし。幼い娘は元夫の家にいる。「見守り屋」というちょっと変わった仕事のため深夜働く彼女にとって、ランチは一日の最後の食事だ。昼と思いきや夜の濃密な空気の話。
好きなエピソードは「第三酒〜丸の内 回転寿司」だ。雇い主の母である老婦人が外に出ないよう見守る依頼。だが婦人に頼まれ迷いつつ深夜ドライブでホームセンターに向かう祥子。彼女が買った園芸用品に首を傾げていると「息子には内緒よ」と婦人が自室のドアを開け、そこには色鮮やかな胡蝶蘭が…。
痛快だったのは「秋葉原〜からあげ丼」タワマン住み金持ち男の自慢を散々聞かされ「目に見えない価値のブランドなんて無駄」と言う彼が貢ぐ地下アイドルについて「そんな大金を費やすほど彼女が与えてくれるものってなんですか?費用対効果がある、明確な価値を認めているわけですよね?」と尋ねる場面。