橘海月 "ハケンアニメ!" 2022年9月25日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2022年9月25日
ハケンアニメ!
著者らしい、「好き」が至るところに溢れていた。彼女の小説は何らかに心酔している、やらずにはいられない人達が多く登場する。それは囚われていると言っていいレベルで、ひたすら己の内部と葛藤しつつ孤独に生みだす作業だ。それを描く、これでもかと丹念に。 物語はプロデューサーの香屋子、監督の瞳、アニメーターの和奈と主人公が入れ替わり、それぞれの視点から監督の王子、プロデューサーの行城、環境課の宗森が描かれる、三組のバディもの。第一章はライバル社でしかなかったのが第二章では業界仲間に見えてくる、読者の視点が広がる構図がいい。 狭い業界のため各章に共通して登場する人もいて、読み進めるにつれ登場人物に愛着が湧いてくる。第三章の祭り描写は著者のご都合主義と大団円が露骨で胸焼けしそうだったが、まぁそれもご愛嬌。そこまでアニメを特別視してない私でも印象的な作品がいくつか頭に浮かぶほど、アニメ愛溢るる内容だった。
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