
咲
@mare_fecunditatis
1900年1月1日
愚かな薔薇上
恩田陸
読み終わった
舞台となる場所は「磐座」と名付けられている。
磐座。いわくら。
磐座とは、そもそも、その地で崇拝される神や霊などを迎え入れるための座席としての岩を指す。
常時は、奥深い山の頂、海の彼方の世界、天上界などの遠い遠い場所に居らせらる信仰対象を、祀りの時に、磐座に迎える。
神々をこちら側に迎えるための、神聖な場所。
物語の冒頭で子どもたちが目にするのは、巨大な岩に刻まれた「虚ろ舟様」の彫り物。
滅びゆく地球から空中船で移住する、体が変質し人の血を飲み不老不死になる…
そんなSFが、自然崇拝的原風景を舞台に繰り広げられる。
「僕たちは、このままでは外海になんか行けないんだよ。肉体的にも精神的にも、こんなに傷つきやすいまんまじゃ。もっと違う者、違う存在にならなくちゃ。違う段階を目指さなきゃ、舟に乗れないんだ」
