
橘海月
@amaretto319
2021年2月27日
傲慢と善良
辻村深月
読み終わった
#揺さぶられる
婚約者が突如消えてしまった。失踪する直前、彼女はストーカーに怯えていたが…。冒頭の展開に佐藤正午『ジャンプ』を思い出して、いやこれは違う話だなと思ったらやはりジャンプだった。途中何度も突きつけられる「婚活への意識」が読み応えあって、かつテーマでもあるなと感じた。
『ゼロハチゼロナナ』でもそうだったが、娘を心配しつつ支配する母の描写がリアルでエグい。これ、ある一定の層には心底身につまされるのでは?私も感じていた、母が私について話す時の謙遜を混じえながらの自慢を。娘の評価を下げつつも、同時に我が娘の価値は高くて当然とする傲慢さを。
年齢は違えど、思い通りの相手と思ったタイミングで結婚できなかった経験をした、全ての人に刺さる物語だと思う。私にもあった。学生の頃から四年付き合った彼氏と別れて無性に結婚したかった時期が。友人の結婚式に出る度に抱く、どうしようもなく焦る気持ちが。他人事ではない、わかりすぎてしまう。

