橘海月 "medium 霊媒探偵城塚翡..." 2020年4月18日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2020年4月18日
medium 霊媒探偵城塚翡翠
よく帯や謳い文句に「衝撃の結末!」や「どの感想もネタバレになる」とあると辟易してしまうのだけど、これは大風呂敷を広げたくなるのもまぁ頷ける。とにかく積み上げた伏線を回収しながら、作者はひたすら楽しかったろうなと思った。 “死者を降霊できる若くて美貌の霊媒師”という設定が二重三重に活きる物語。SFやホラー要素をどう本格ミステリに落とし込むかは西澤保彦や歌野晶午作品、映画化された『屍人荘の殺人』などに通じるものがあって、かつそれら過去作品すら伏線としたところが小憎らしく秀逸だった。 過去に歌野晶午『密室殺人ゲーム王手飛車取り 』を読んで驚愕して、その続編の『密室殺人ゲーム2.0』に完全に騙された時のことを思い出した。ミステリ好きというバイアス、つい既存の作品が頭に浮かび、自然とこれは◯◯系と分類してしまうくせが足枷となる。そういう意味でも痛快。 小説を読みなれると、ごく自然と「こんなキャラ現実にはいないよ」からの「まぁ小説だしな」で受け入れられるお約束を、最大限に活かした作品だった。あのキャラクターをああいう風にキャラづけしたことが、作者の最大の功績。後は私が好きな、事実を反転させ理屈をこねくり回す場面がよかった。
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