
Miyoshi
@miyoshi
2026年1月2日

逃亡くそたわけ (講談社文庫)
絲山秋子
読み終わった
今年最初の読了。雪の降る宿で借りて読んだ。
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「殺さないとだめだ」
Bが言った。
「でも、あいつが死んだら俺達はどうなるんだろう」
Cが言った。スーツを着た気の弱そうなおじさんだ。
あいつというのはあたしのことだ。あたしを殺す相談をしているのだ。
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精神病院に入院している「あたし」はテトロピンという薬で自分がおかしくなることに耐えきれず、「なごやん」を巻き込み逃亡する。
博多で生まれ博多を愛する「あたし」、名古屋ルーツなのに名古屋を憎む「なごやん」。方言がたくさん出てきて楽しい。
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「そいぎんたは名古屋弁でなんて言うと?」
そいぎんたは佐賀の言葉やからあたしだって普通は使わない。
「そいぎんたが判らないよ。それに俺は方言は絶対に喋らない」
「嘘みゃー」
「みゃーとか言わないよ、まじでさ」
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博多から始まり、大分の別府温泉、熊本の阿蘇山、宮崎県の国道、鹿児島の知林ヶ島、と南下していく。
なごやんが羽振りよくなった場面は、もしやもう終わってしまってもいいと思っているのかとヒヤヒヤしながら読んだ。
逃亡劇が終わってもおそらく何も解決しないし、状況もよくならないし、この二人がこの先一緒にいることはないのだろうけれど、終盤は読んでいて私も「ゆたーっと」した。

