
橘海月
@amaretto319
2018年8月27日
インフルエンス
近藤史恵
読み終わった
#ミステリ
主人公の作家が、同じ年のファンの話を聞くところから物語は始まる。友梨、里子、真帆、狭い団地で暮らす3人、同じ年齢同じクラスなのに決定的に違う環境と状況。翻弄されながらもか細い糸で繋がる彼女たち。そして聞き手だった作者もまた巻き込まれてゆく…。
作中ですごく印象的な一言がある。
「なくなったことを惜しむ権利があるのは、見捨てなかった人たちだけだ」
どの場面ででてきたかは本編を読んでもらうとして、これは彼女達の友情とも簡単に言えない友情にも通じていると感じた。何かあった時だけ気にする者には、それを気にする権利すらないのだと。
おそらく作者の近藤史恵自身が団地を身近に感じているように、私もあの無機質な、同質でいてそのくせ特徴的な建物に子供が抱く気持ちがわかる。親戚宅で夏を過ごした私には、あの棟が変わると途端に表情を変える団地の様が目に浮かぶ。迷った後、見覚えのある赤い自転車を見つけた時ホッとする気持ちも。


