
ユメ
@yumeticmode
2014年10月4日

凍りのくじら
辻村深月
かつて読んだ
感想
全ての秘密が明かされ、秘密の道具の光が主人公・理帆子を照らす時。誰もが知っているあの旋律が、祈りを込めた響きを持って聞こえる。この瞬間、この物語とドラえもんの世界がシンクロした。あきらの「『ドラえもん』はのび太くんを信じた上で成り立っている」という言葉、理帆子を愛し続けた両親。のび太くんの元から未来へ帰ってゆくドラえもん、役目を果たして娘の前を去る父。こんなにも美しい重なりが心を震わす。自分にも温もりがあったことに気付く理帆子と共に涙して、私も今この物語の中を生きていると感じた。