JUMPEI AMANO "生類の思想" 2026年1月2日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2026年1月2日
生類の思想
生類の思想
藤原辰史
「Ⅲ はぐくむ」を読む。藤原さんの過去作『稲の大東亜共栄圏』や『農の原理の史的研究』を読み返したくなる(なかなかそういう時間は取れないけれど...)。去年初めて裸足歩きを経験した身としても、「土の思想」の問題はかなり重要な意味を持ってきそう。ぼんやり考え続けたい。 † 〈囲いつつはぐくむというhegenに込められた意味を、最大限生かした「囲い」は、まだ真剣に思考されていない。囲いをあまりにも高く設定し、囲いの外で乱暴狼藉を働いたナチスと同じ過ちを繰り返さないためには、流動性のある最低限必要な低い囲いとはなにかについて考えなくてはならない。〉(120頁) 〈思想の根拠として土を思考することは難しい。[...]農でも村でもなく土を思想の中心に据えるのであれば、さまざまな地域の自然現象、社会現象、歴史現象、そして心理現象にその論理をつらぬかなくてはならない。〉(122-123頁) 〈そもそも土のなかは「共同体」だろうか。[...]もっと目的はバラバラで、各々自分たちの生命活動を遂行しているにすぎないのではないか。/ならば、このような適度な距離感をもとに同じ空間に併存する土壌世界と人間社会の相互関係を、道徳の言葉ではなく、説明することはできないだろうか。〉(133頁) 〈歴史の暗部を掘り起こすときにしばしば私が陥りがちなのは、その被害者たちを「抵抗者」という枠組みに押し込むことである。水俣病の患者や運動者たちはいつも闘っていたのではない。なによりもまず、からいもや魚を食べ、日々を暮らしてきた。〉(156頁)
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