みかこ "私労働小説 ザ・シット・ジョ..." 2026年1月2日

みかこ
@mkk_713
2026年1月2日
私労働小説 ザ・シット・ジョブ
「低賃金で重労働で病院のヒエラルキーの底辺にある仕事を呪いながら、母は、本当はあの仕事が好きだったのだ。」 そうなのだ。本当に。 ケアワーカー以外の人間がケアワークについてどう思っているかは知らないが、少なくとも私もそうだった。他人の排泄の世話をすることも時に多少の暴力や暴言があることも、私にとっては大した問題ではなかった。 介護という仕事は向いていたし、好きだった。 「人はパンだけで生きるものではない。だが、薔薇よりもパンなのだ。」 『薔薇』とは平たく言えば『やりがい』もしくは『矜持』といったところだろう。ケアに携わる側も、まず充分に生活できる金銭を得られなければ生きてはいけない。むしろケアに携わるからこそ、充分な金銭を得て、しっかりとした食事を摂り、休息を取り、余暇を楽しみ、人間らしい生活をすることが必要である。 社会に欠かせぬにもかかわらず、低賃金で、社会的にも軽視されている仕事。その仕事を好きだと思う人間が、どうかやりがいや職業倫理を盾に搾取され続けませんように。呪いの言葉なしに好きだと言える世の中になって欲しい。 第六話 パンのケアと薔薇 p209
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