ジョルジオ・ポメラーニ "ヒロシマ・ノート" 2026年1月3日

ヒロシマ・ノート
特に第一章が面白い。取材のために広島に降り立った大江がひたすら戸惑っている。反核をめぐる政治の混乱に戸惑い、原爆症の悲惨さとその研究所の脱色されたモダンさの対比に戸惑い、生き残った被爆者たちの矜持に戸惑う。これは恐らく序文で述べられているように大江自身が自分の息子が障害をもって生まれたことによって彼と共に戸惑いの生へと投げ込まれてしまったことと関係している。だが戦後の真実はこうした戸惑いの中にしかないことを、同時に本書は示唆してくれる。
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