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@nininice
2026年1月3日
大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件
カーク・ウォレス・ジョンソン,
矢野真千子
読み終わった
新年最初の読了。本の題通り、博物館の鳥標本盗難事件についてのルポタージュ。
長期的な英知と短期的な私欲がぶつかる戦争で、勝ってきたのはいつも後者のようだった。(p314)
人間中心の考え方では、勿論英知の方が善で私欲の方が悪となるのは当然なのだろうけど、殺され標本にされ盗まれた鳥からしたら、きっとどちらも同じなのではないだろうか。鳥の意見を聞くことはできないから、わからないけど。なぜ人は「人間のいない世界」へわざわざ出向いて、そこにある自然を破壊したり、所有したり、研究したりせずにはいられないのだろう?そのまま、人間不在のままにしてはいられないのだろう?
わたしも以前は、例えばヘルマン・ヘッセの「星や山や湖は、自分らの美しさと無言の存在の苦悩を理解し表現してくれるひとりの人をあこがれているかのようだった」のような言葉に感動していたけど、なんて自己中心的だったのかと反省している。星も山も湖も、鳥もその他の生き物も、自然はみんな、人間が見ずとも言葉にせずとも、美しいとか美しくないなども一切関係なく存在している。それらを名付け、我がものにしたいという人間の欲は、英知であれ私欲であれ、きっと抑えることはできないのだ。
