みい "ザリガニの鳴くところ" 2026年1月3日

みい
@booklog_2026
2026年1月3日
ザリガニの鳴くところ
ザリガニの鳴くところ
ディーリア・オーエンズ,
友廣純
読書期間 2026.01.19-2026.01.21 ノースカロライナ州の湿地で暮らすカイア。1969年の10月、ノースカロライナ州のバークリー・コーブという村の青年が遺体で発見された。人々がすぐに思い浮かべたのは、カイアが彼を殺したのではないかということだった。 1952年と1970年の間を行き来しながら物語は進む。家族に捨てられ孤独に生きることを強いられたカイアは、湿地に住む生き物たちを愛し、傷つきながらも力強く生きていく。 カイアの影に潜み、その人生と心の中を見守り続けるような作品だった。動物行動学の研究者である著者の確かな知識と経験に裏打ちされた、濃密な自然の描写。一瞬を切り取る思いがけない視点。そしてそれらを引き立てる匂い立つような抒情的な表現。傑作。 【以下ネタバレあり】 「罪に問われるようなことはしていない」という主張の意味するところは本人が何を罪と考えているかに左右される。カイアは法に包摂されておらず、自然の掟の中で生きた。自然の中では観察者の目に美しく映る行為も醜く映るものもある。それらに善悪の区別はなく、ただ各々が生き抜くための戦いがあるだけだ。ミルトン弁護士もテイトも、もしかするとカイアと自分たちの間にあるこの決定的なズレを認識していなかったのかもしれない。
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