句読点 "自分の中に毒を持て<新装版>" 2026年1月3日

自分の中に毒を持て<新装版>
毎年正月に読み返すことにしている本。今年も読み終えた。読み返すたびに新たな発見がある。 人間は本来、無目的的に生まれてきて、生きていく上でも、目的的なことばかりではなく、無目的的な、無償の、無用の、なぜだかわからないけど無性にやりたくなってしまう何か、人間が人間である所以のところのものなしでは、人間らしく生きていくことができない。しかし近代以降、そうした人間的な側面を忘れて、あるいはそうしたことに向き合う時間や余裕を与えないほど、目的的に、効率的に資本を蓄え、物質的に豊かになることを目指してきすぎたのではないか、そうすることによって「人間」がほかでもない人間自身によって喪失させられているのではないか、という問題意識のもとに、全ての人が人間らしく生きることができる社会の実現のために芸術や言論を通して人々に訴え続けたのが岡本太郎だった。彼の主張は、没後30年が過ぎた今もまったく色褪せることなく、むしろますますその必要性が高まっているように感じる。 最後の方で主張されている、「政治、経済、芸術(人間)の三権分立」という考え方はこれからますます重要になってくるだろう。 新年に読むといつもピシッと身が引き締まる思い。「生きている」という実感を得られる時間を多く持ちたい。しかし同時にそればかりを求めるのもまた目的的に生きることになってしまうだろうから、適度に息抜き、休息、リラックス、力を抜くことも忘れずに。
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