cookingalone "新版 就職しないで生きるには" 2026年1月3日

新版 就職しないで生きるには
新版 就職しないで生きるには
レイモンド・マンゴー,
中山容
娘が働きたくないというので、旅行中の京都の書店で見かけて、「これ、どう?」と伝えたところ、「買ったら、借りる」と言われ、行きがかり上、買わざるを得なくなった。レジに並びながら裏返すと、結構なお値段なので、辛かったが、仕方ない。 旅行から戻り、娘が読む前に、父としての沽券に関わると考えて読み始めたが、想定していた内容の斜め上の中空を漂った後に、45度くらい降りてきて諭すような内容だった。 つまり、私としては、働きたくないという人間の根源的欲求を嗜め、仕事の意義を説く、みたいな啓蒙書を想定していたのだが、ビートニク、いや、ヒッピー上がりの男が書店を始め、次第に嫌になる過程が描かれているかと思えば、文無しになりつつ、時に、コカイン漬けになりつつ、全米各地のスモールビジネスを見てまわるといった経緯がコカイン中毒者のように早口で語られるといったもので、ヒッピー上がりが書いたビジネス書といえば、半ば遠からずなのではないか。 とはいえ、仕事はせざるを得ないよね、というトーンはあり、しかし、無茶苦茶といえば、無茶苦茶なので、娘に読んで欲しいか言われれば、複雑なところではある。 でも、70年代のスタフグの泥沼に陥って景気の悪かったアメリカで、こういう感じで、なんとか食うには食って切り抜けたしという「感じ」は、娘をいつか何処かで励ますのではないか。それが今再版された理由であるのかもしれない。
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