遷子 "韓国現代詩選〈新版〉" 1900年1月1日

遷子
遷子
@msenko1367
1900年1月1日
韓国現代詩選〈新版〉
★当時まだ新版が出ておらず、古本で見つけた時は嬉しかった。 茨木のり子「韓国現代詩選」読了。紹介された詩は勿論、付記された詩人紹介文がまた味わい深い。『この人(黄明杰)に限らず、韓国の詩人たちの大きなテーマの一つは、生きることへの鼓舞であり、それが常に長鼓チャンゴのように鳴っている。それだけ暮らしはくるしいということだろうか』 『韓国のある新聞記者に会った時、かなり年配の人だったが、「詩人!おお、頭が痛い!」と日本語で叫んで、ほんとうに頭をかかえてしまった。それは、かわいいけれど処遇に困る息子を持った父親のごとくであった。難解さゆえの頭痛ではなく、詩人の存在そのものを「頭が痛い!」と叫ばしむるのは、すばらしいとも言える』 この本が出版されたのは30年前だが、当時の韓国の本屋には日本とは比べ物にならない大きな詩集コーナーがあり、著者が羨ましく思うほど老いも若きも夢中で読んでいたのだそうだ。中にはノートをとる学生もいて、買うには高価すぎるのかな…と思っていたら、ある大学教授が教えてくれたところでは、それは自分の好きな詩人の、特に好きな詩だけを集めて、自分一人だけのアンソロジーを作るためにしているのだと。 『韓国のひとびとの詩を好むこと尋常ならず』 もっとも現在ではその限りではないようなのだが、そうはいっても映画「詩人の恋」で見たように、深く根付いた詩や詩人に対する思いはいまだ消えてはいないように思われる。 これだけ韓国文学が注目され、まして茨木のり子は日韓共に人気があるそうなので、この本も文庫なりなんなりで再版されるといいのにと思う。良い詩は何度も何度も読めるものだし、読めるべきものだし、読みたくなるものだ。
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