橘海月 "森があふれる" 2020年3月21日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2020年3月21日
森があふれる
森があふれる
彩瀬まる
表紙がすごく素敵で、それだけで単行本を買う価値がある。 いい物語だった。あらすじの一部を知っていただけに、種子を食べた妻から芽が生え茎が伸び、寝室に森ができるまでが予想外に序盤で驚いた。日常的にすれ違う複数の夫婦は『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』を彷彿とさせる。でもそれ以上に温度のある、湿度の高い話だった。 物語が進むにつれ語り手が移行する中、一番リアルで好きなのは白崎の章だ。ファンだったはずの作家に、気のいい先輩だったはずの夫に抱く違和感。先輩に言われた女らしさの処世術を実行しつつも、同期のジェンダーの問いに胸が疼く。夫と話が出来て初めて、同じ場所で生きられるのではと感じる彼女が。
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