
Rica
@rica_bibliotheca
2026年1月4日
大江健三郎自選短篇
大江健三郎
読んでる
中期短篇
『頭のいい「雨の木』
『「雨の木」を聴く女たち』
『新しい人よ眼ざめよ』
読了.
文中に登場する"音楽家Tさん" とは武満徹氏のことじゃないかしらん?と想像している. バリ島が出てくるし...かつて読んだ氏の随筆『樹の鏡、草原の鏡』からの連想. カフェULMさんで出逢った一冊だ.
そしてブレイク.
だいぶ慣れてきたからか、時代によるものなのか、中期に入ってじわじわ良さを感じはじめてきた.
『新しい人よ眼ざめよ』はとても好き.
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「雨の木」と言うのは、夜中に驟雨があると、翌日は昼すぎまで、その茂りの全体から雫をしたたらせて、雨を降らせるようだから。他の木はすぐ乾いてしまうのに、指の腹くらいの小さな葉をびっしりとつけているので、その葉に水滴を溜め込んでいられるのよ。頭がいい木でしょう。(『頭のいい「雨の木』)
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イーヨーは地上の世界に生まれ出て、理性の力による多くを獲得したとはいえず、なにごとか現実世界の建設に力を尽くしているともいえない。しかしブレイクによれば、理性の力はむしろ人間を錯誤にみちびくのであり、この世界はそれ自体錯誤の産物である。その世界に生きながら、イーヨーは、魂の力を経験によってむしばまれていない。イーヨーは無垢の力を持ちこたえている。(『新しい人よ眼ざめよ』)
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