
紫嶋
@09sjm
2025年1月23日

水車小屋のネネ
津村記久子
読み終わった
借りてきた
タイトルにある「ネネ」は、非常に賢いヨウム(鳥)。その賢さで時折人間をびっくりさせることもあるが、それでもやっぱり鳥は鳥なので、教えてもいない言葉を喋り出すとか、人間を苦難から救うような大きな奇跡を起こすようなことは出来ない。
だが、それでいい。物語の中の人々の、楽もあれば苦もある長い人生の傍に、ネネがヨウムらしくただ存在してくれることで、どこか感情や人間関係の緩衝材になってくれている…そんな印象を受けた。
ドラマティックで派手な展開は起こらないが、その分人々の日々の営みや、変わらぬ毎日を繰り返しているようで少しずつ変化していく様子を、ゆったり感じられる物語だった。



