みぎた
@mj-bt
2026年1月4日
物語ることの反撃
リフアト・アルアライール,
岡真理,
藤井光
読み終わった
ネバーランド(タスニーム・ハンムーダ)P156〜傷痕(アーヤ・ラバフ)P205、作者たち、謝辞、訳者あとがき、解説
ガザ・イスラーム大学で英文学、世界文学、文芸創作を教えていたという、詩人・作家のリフアト・アルアライールの編集による、短編小説のアンソロジー。
原題:” Gaza Writes Back : Short Stories from Young Writers in Gaza, Palestine”
パレスチナのガザ地区において、2008年12月〜2009年1月に行われたイスラエル軍の侵攻「キャストレッド作戦」の後、2013年に編まれたもの。
各作品は、当時彼が教えていた学生たちを中心とした、ガザ地区の若い世代の書き手により、英語で書かれたものだという。
そして、2023年10月以降(これは現在まで終結していない)のイスラエル軍によるガザ地区への攻撃。
この中で、編者リフアト・アルアライールが2023年12月、彼がいた建物にイスラエル軍が打ち込んだミサイルによって死亡。
その後の2024年に、新たに8名の作家たちから寄せらせた小説や序文などを加えたものが、この日本語訳としてまとめられたものだという。
アメリカ合衆国がベネズエラに対し「大規模攻撃」を実施し、マドゥロ大統領をその妻を捕え、ベネズエラ国外へ空路で移送された旨の報道に危機感を強くし、残り100ページ余りを、ほとんど一気に読み通す。
ノンフィクションかフィクションかは問題とならない。
強大な暴力に晒され、破壊され、傷つけられる中で形造られた物語を、自分の感覚を拡げて、捉えなければならない。
巻末には、本編に収められた作品の作者15人(その中には編者自身も含まれている)それぞれについて、略歴、本人の言葉などがまとめられ、「作者たち」として収められている。
2024年の新版の編集時点で、死亡した編者、リフアト・アルアライールの他、2013年の初版に収録の作家6名と連絡がつかない状態となっていたという。
今、残りの8名は大丈夫だろうか?