
ちゃも
@ninelives9
1900年1月1日
正欲
朝井リョウ
読み終わった
『なぜ人間には文学が必要なのか?』
私は正欲を読んで、この疑問に対する明確な答えを1つ、見つける事ができました。
そこかしこで見聞きする『多様性』という言葉。
その言葉には、我々が想像もつかないような価値観を持った人々が確かに存在している。
今作に登場する、『水』に性的興奮を覚える人々。
もしも彼らの口から、彼ら自身のこれまでの苦しみや疎外感を説明されたとして、果たしてどれだけの人々がそこに共感や寄り添う感情が湧いてくるでしょうか?
『気持ち悪い』とか『理解ができない』とか、そんな否定的な言葉で拒絶してしまうのが多数ではないでしょうか?
そもそも彼ら自身がそれを見越して、語ることを諦めてしまうでしょう。
でも『文学』なら、『物語』なら、彼らの苦しみや疎外感を、彼らとは全く違う価値観を持った人々でも共感できるであろう要素や語り口が、取っ掛かりのような物が、きっとその中に描かれているはず。
私は、この世界に『文学』があって本当に良かったと、心から思いました。
朝井リョウ先生、ありがとうございます。

