
もん
@_mom_n
2026年1月5日
おわりの雪
ユベール・マンガレリ,
田久保麻理
読み終わった
心に残る一節
@ 自宅
はじめての白水Uブックス。繊細で密やかで寂しくて、とてもよかった。
p.42
ぼくはトビに会いにブレシア通りへむかい、途中でつや消しガラスの電球を買った。その電球は、ちょっと梨に似ていた。四十ワットの梨だ。ぼくはそれをポケットにしまった。
p.101
ベッドに横になった。水滴のしたたりおちる音がした。目をつむった。するとそのとき、目をつむることと水滴の音とのあいだに密接な関係のようなものが生まれて、ぼくの気持ちをしずめてくれた。ぼくはしばらくのあいだ、しずかな気持ちでいられた。ズボンから水気がなくなってしまうまでは。
p.143
いまでもときどき考えることがある。あれはぼくが実際にしたことなのか、それともしたいと思っただけなのかと。どちらでもおなじことだ、そう思うのがぼくは好きだ。そして、そう思って満足する。
p.149 (訳者あとがき)
マンガレリの作品に登場する少年たちは、現実そのものを変えることはできない子供ではあっても、空想によって、世界を味気ないものから生き生きしたものへと変えることができる。マンガレリ的世界において、空想力とは現実から逃避するためのすべではなく、現実を生きていくために子供にそなわった逞しい力である。
