
きなこ
@kinako2025
2026年1月5日
戦争みたいな味がする
グレイス・M・チョー,
石山徳子
読み終わった
考えさせられる
p7「家族史を理解するために調査や執筆をおこなうことは、家族への恥辱という支配からみずからを解放し、恥辱そのものが、抑圧された人たちを沈黙に追いやる政治的な手段であることを理解するための、第一歩になった。」
この文章は、私に直球で届いた。
戦争は、性被害は、一人の人間の一生をこうも深く長く蝕み続けるのか。
大阪で生まれ、韓国で育ち、朝鮮戦争後に米国人の夫とアメリカに渡った一人の女性の人生を、彼女の娘が綴る。
なぜ彼女は総合失調症になったのか。
人種差別に女性差別。
故郷の味を求めても、なかなか手に入らなかった時代。食はその人のアイデンティティであり、生きてきた印でもある。体と心に染みついた味は決して消え去ったりしない。
私がフィンランドに旅行に行った時のこと。フィンランド料理はそれほどクセがなく、日本人の私の舌に合った。しかし数日経つと私の舌は無性に出汁を欲し始めた。出汁が飲みたい。急な欲望に驚きながらも切実な思いはどうすることもできなかった。私の場合は数日で帰国し、出汁を味わうことができたが、それがずっと続いたら......。
朝鮮半島の分断の原因に日本も無縁ではない事実。
様々な思いを抱きながら読了。




