
Moonflower
@Moonflower0226
2026年1月5日

読み終わった
第五章 都市機能の充実-五賢帝の時代
第六章 王朝都市-セウェルス朝の目論見
第七章 永遠の都-都市に刻印される歴史
【感想】
ローマという都市を、カエサルの登場前史からコンスタンティヌスの遷都まで、簡潔に描いてみせた通史。(図版も多くて助かったが、年表は欲しかった)
面白いのは、皇帝たちの「政治的言語」として造営建築事業を説明していく視点で、単なる皇帝列伝(エピソード集)にはなっておらず、一貫して「都市ローマ」に叙述を集中させているため読みやすい。
また、歴代の皇帝を描いていく、その挿話の出し入れも多すぎず少なすぎずと絶妙で、どの皇帝もその個性・能力・偏差がよくわかった。なので、ローマ皇帝列伝としても面白く読める。コンパクトに通覧できるので今後も重宝しそうだ。
それにしても、斜陽を迎えたローマのくだりを読んでいて、現代世界を思わずにいられなかった。とくに、「パンとサーカス」だけを求めるローマ市民の姿に、わたしたち現代人が重なって見えてきたのだった。