高山碧瑶 "痛みの〈東北〉論" 2026年1月6日

痛みの〈東北〉論
南三陸出身の社会歴史学者、山内明美さんの論考集。ほぼ一貫して当事者意識を持って震災後13年間書かれた文章には三陸出身で上京し、そして後には地元宮城県に戻った筆者の感じた時代感覚が反映されていた。 「痛み」を語るときにどうしても出てきがちな対極にある側を批判するような書き方ではなく、なぜそのような矛盾が生じているのかを観察しそれでも不条理な現実にはしっかりと声を上げている書き方は震災後宮城で過ごした私には言葉にできなかった後腐れを丁寧に代弁してくれているようだ。 この本は私のような東北地方の人間に向けて書かれただけの本ではない。「中央」から周辺化され疎外された「辺境」は世界中、歴史を見渡せば枚挙にいとまがない。そういった土地の事を本書では〈東北〉と呼んでいる。
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