
紫嶋
@09sjm
2025年2月17日

読み終わった
借りてきた
シリーズも三巻目まで追っていると、作中のレーエンデという土地に対し、読者としても愛着や思い入れのようなものが湧いてくる。そういう意味で、次第に作中の人々に感情移入しやすくなってくるのがこの三巻あたりなのかもしれない。
武力による革命が失敗に終わる二巻目と対になるように、この三巻目では演劇という文化芸術による革命の様子が描かれる。二巻目での出来事を演劇にするという、過去の物語とリンクしていく展開も面白みがあった。
この『レーエンデ国物語』シリーズは、作者の得意分野が上手いこと活かされているように思う。壮大な歴史を創造すること、個々の事象の連なりがやがてスケールの大きな物語へ転じていく様子を書くことに作者は長けているのだろう。
(一方で、用意された大枠の物語、描きたい歴史の都合に合わせるように、時折登場人物の言動や性格がブレるという印象もあるが…このシリーズはあくまでレーエンデの歴史が主軸なため、個々の人物の描写については、目を瞑らざるをえない部分もあるのかもしれない)
