あとらく "時の家" 2026年1月6日

あとらく
あとらく
@atoraku_
2026年1月6日
時の家
時の家
鳥山まこと
細部を積み上げる描写と長い時をふくむ物語、三代の居住者と青年、彼らと彼らにとって身近な誰か、そして彼ら自身の今と記憶、それらがすれ違いながら感触を伝える 物語のなかで彼らが誰かのことを想像するのと同じように、一見滑らかに思える文章から読者は時の重みや時のなかで析出されたかもしれない何かを想像する 作中で〈ねじれの位置〉と称されるこの二重の歯痒さが作品の美点でもあり、しかしそれが重ね合わされるときの手つきや風景が思索に展開される際の喩には安易さや紋切り型を感じないでもなかった 長嶋有や柴崎友香や堀江敏幸ら現代日本文学のある種の潮流を正統に後継しているようにも思え、既視感を覚えなくもなかったが、でも時や記憶や実感を覚えた瞬間が何度もあったのでいい小説だとは思う
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved