
iiinu
@iiinu
1900年1月1日

理由
宮部みゆき
読み終わった
構成がすごい。結論的には1人の男が犯した罪の話なのだけど、様々な事柄・家族がこれでもかと絡み合って複雑で、ページを読み進めるたびに真相がわかるようでわからない。中盤でなんとなく輪郭が見えてくるけど、本人の口から語られたわけではない話なんかもあったりして、語り手というものは人間である以上本質的に信用できないのだと感じた。特に真犯人については、結局どういう人間だったのか、色んな想像ができる。
でも犯してもない罪で誰かが捕まったりせず、裁かれるべき人間がきちんと名乗り出て解決するあたり、優しいというか、救いがあるというか、やっぱり人の善性に依っているなあと思った。
宮部みゆきさんは、行き過ぎだけれど悪人と断ずるほどではなかったり、見栄を張ってしまって失敗する人だったり、なんとなく嫌悪してしまうけど憎むほどではない、この世に生きているごく普通の人を描くのが本当に上手。

