
cio
@cio_105
2026年1月6日

はじめての文学 川上弘美
川上弘美
読んでる
電車の発車ベルが響いて、抱えた単行本がじんと震える。
千切れた銀杏の葉がはい虫のように駆け回る。
穏やかで淡々とした語り口に、えっ?と戸惑う展開が続く小品の中でも、「椰子・椰子」の異質さは際立っている。いつもなら目にも留めないような小さな出来事、大きな違和感を注視して、立ち止まってよくよく考えてみようという気持ちが起こる。普段目を瞑っているのは、世界のおかしさに呑み込まれてしまわないための防御。だけれど、世界に立ち向かい、溶け合う策として、その逆をいってみるのもよいのかもしれない。

