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@cio_105
  • 2026年1月6日
    はじめての文学 川上弘美
    電車の発車ベルが響いて、抱えた単行本がじんと震える。 千切れた銀杏の葉がはい虫のように駆け回る。 穏やかで淡々とした語り口に、えっ?と戸惑う展開が続く小品の中でも、「椰子・椰子」の異質さは際立っている。いつもなら目にも留めないような小さな出来事、大きな違和感を注視して、立ち止まってよくよく考えてみようという気持ちが起こる。普段目を瞑っているのは、世界のおかしさに呑み込まれてしまわないための防御。だけれど、世界に立ち向かい、溶け合う策として、その逆をいってみるのもよいのかもしれない。
  • 2025年12月18日
    はじめての文学 川上弘美
    どうにも散漫で、読書に集中できない時期。じっくり考えながらなんども読み返す必要のあるような本は、少しハードルが高くなってしまった。 以前、知人に紹介された「神様」の収録されているのをふと思い出し、この本を手に取った。 「はじめての文学」と銘打たれているだけあって、掌篇から始まり、体力や思考力が落ちていても、導かれるようにするすると読み進められる。まずは知人の勧めに従って「神様」を読み、「運命の恋人」ときて…三作目の「パレード」にて、一行目からセンセイが喋りだし興奮を覚えた。なんと、大好きな『センセイの鞄』の番外篇に思いがけず巡り合う。 本が読めないと、なんだかだんだん落ち込んでしまう。けれど、ちょっと自信が取り戻せそうな気がしてきた。
  • 2025年12月10日
    倫理とは何か
    皆さんはたぶんやくざ映画なんか見ないと思いますが、「あいつにはそれだけの器量はない」といった台詞を思い浮かべていただけるとありがたい。そう言われたやくざの子分には「アレテー」がないのです。やくざですから、たぶん、徳もないでしょうけれど、それとは別の問題であることが重要なのです。 (p.42-43) こういった表現はおそらく意図的に書かれているものと思って読んでいる。意図の汲み取りは読者に委ねられており、果たしてその「意図」が本当に著者の想定したものなのかもはっきりとはしない中で、それでも読み取ろうとすることはどれだけ意味があり、またそれを試みる読者はどれだけいるのだろう。
  • 2025年11月16日
    ムーミン全集[新版]3 ムーミンパパの思い出
    ムーミン全集[新版]3 ムーミンパパの思い出
    前巻では「ベルベット」だった庭の暗闇は「ビロード」になり、「ツチボタルが神秘的なもようを刺繍していく」。 「ちっとも変なしゃべり方じゃないんだよ。そもそも、ものを書くってときに、いいかげんなしゃべり方なんてありえないだろ?」 (中略) 「やれやれ、それが持ち味というものさ。おまけに、あることについて話をするのと、そのことについてどう思うかというのとでは、大きなちがいがあるんだよ。つまり、考えたり書いたりするのと、ただおしゃべりをするのとでは、大ちがいさ。しかも今ここでは、みんな感じたことだけをたよりにしゃべっているのだから、なおさらちがう……とわたしは思うね」 (p.63-64)
  • 2025年10月21日
    ムーミン全集[新版]2 たのしいムーミン一家
    外はもう、八月の夕闇がしのびよっています。庭がベルベットのような黒い影で満たされてきましたし、風は森の中で、ものがなしそうなため息をついています。ツチボタルが出てきて、あかりを灯しています。庭の小道をたどってくると、パパはなんだかぞくぞく感じずにはいられませんでした。 (p.170) 最後の最後の最後まで、この後どうなるんだろう? あのひとはどうするんだろう? この子は何を思っているんだろう? と想像が膨らむ物語だった。予想は何一つ当たらなくて、それがまた楽しい。語り口としては穏やかに淡々と進んでいくのに、えっ?! という驚きに満ち満ちていた。平易な言葉の組み合わせで表現される情景は、時に色鮮やかに、時に陰影の階調を伴って立ち現れてくる。モランがどう過ごしているのか、すごく気になるんだけれど、どうやらまたいつか会える日があるみたい。その日を楽しみに待とう。
  • 2025年10月18日
    ムーミン全集[新版]2 たのしいムーミン一家
    とても静かな朝でした。雨がおだやかに落ちて、つややかに光る水の上に、一つぶ一つぶ輪をえがいていました。 (p.135) マメルクは、パンケーキを気に入ってしまったのです。 (p.144)
  • 2025年10月12日
    ムーミン全集[新版]2 たのしいムーミン一家
    「嵐が、かわりになにか持ってきてくれたんじゃないかな。コーヒーを飲んだら、浜辺をひと回りして、波に打ち上げられたものを見に行こう」
  • 2025年9月30日
    ムーミン全集[新版]2 たのしいムーミン一家
    「その年、初めて見たチョウが黄色なら、たのしいことでいっぱいの夏になるし、白いチョウなら、おだやかな夏になるといわれています。」
  • 2025年9月8日
    ムーミン全集[新版]1 ムーミン谷の彗星
  • 2025年6月22日
    gift (集英社文庫)
    gift (集英社文庫)
  • 2025年5月21日
    シッダールタ
    シッダールタ
    昔、つっかえつっかえになりながら読んだ本。 ここ数年読書が習慣づいた賜物か、読み進めやすく感じた。文の構造が見える! その現象は言葉にできるが、その心の衝撃、感覚は言葉にして伝えられない。奇しくも、シッダールタが仏陀とそういう話をしている。 うっすらとした記憶を辿りながら読み返して気づいたのだが、私は大きな勘違いをしていた。どうやらこの本の主人公は、シッダッタ太子本人ではないようなのである。 著者のヘッセは、この本の第二部を書くにあたって瑜伽行に勤しんだと解説にある。 シッダールタの解脱への道、ゆくすえを注視していきたい。
  • 2025年5月15日
    カルトローレ
    カルトローレ
    学んで、食べて、寝るだけで一日が終わるのはいいことですよ。 とはコリドー曰く。 そうして過ごせることがどれだけ幸せかを、教えてくれる物語だと思う。 主人公のタフィは《船》の人らしさか、生来の気性か、争いをせず、淡々と環境に順応してゆく。好意や嫌悪にも読み取れるものは、タフィにとっては情緒をはさまない、主観的な評価かもしれない。適応化によって得られるもの、失われてゆくもの。時を経るとは流動してゆくことだ。
  • 2025年4月20日
    カルトローレ
    カルトローレ
    もしかしたら、私も気づかないままこういう暮らしをしているのかもしれない。蛇の皮に息を吹きかけて熱を起こし、シチュー・ド・ティを沸かしたことがあるかもしれないし、外衣の中に隠れるゴシキ鳥のクチバシを覗いたこともあるかもしれない。この空気を吸っているのかもしれない。そういう想像を掻き立ててくれる力が、長野まゆみさんの文章にはある。
  • 2025年4月8日
    カルトローレ
    カルトローレ
    初読時は、文体に馴染むまでに時間がかかり、冒頭を何度も読み返した記憶があった。今回はするすると読めている。いろいろな文体に触れてきたからだろうか。
  • 2025年3月22日
  • 2025年3月22日
  • 2025年3月22日
    NO.6〔ナンバーシックス〕♯9
    例えば今お皿にのっている一枚の食パンが、一本のウインナーが、どれだけ尊いものかをつくづく思い知らされる。
  • 2025年3月22日
    NO.6〔ナンバーシックス〕♯8
  • 2025年3月22日
    NO.6〔ナンバーシックス〕♯7
  • 2025年3月22日
    NO.6〔ナンバーシックス〕#6
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