なつれ "バッタを倒しにアフリカへ" 2024年5月4日

バッタを倒しにアフリカへ
バッタを倒しにアフリカへ
前野ウルド浩太郎
バッタの博士がアフリカで奮闘するお話。 自分も博士課程で研究やお金の問題にいつも悩まされているので、とても勇気を貰える本だった。 昔は新発見を報告するための手段だった論文が、今や論文を書くという目的のために新発見をするという風潮は日々感じて、時々何のために研究をしているのか分からなくなる。著者が教科書の知識だけに固執するのではなく、アフリカのフィールドで生のバッタを見て、その知識を更新していく姿は自分が昔から思い描いていた理想の研究者像そのものだ。 研究に関して 自分の分野である神経科学では、ほとんどの実験は野生ではなく研究室で生まれたマウス/ハエを対象に行われる。しかし、本来動物はゲージという狭いプラスチックの中で育っている訳ではないので、論文として報告される結果は野生で育った動物にどの程度当てはまる結果なんだろうかと疑問に思う。本当はフィールドワークが必要なんだろうけど、論文にするのに時間がかかるから実行する人が少ないのかなと思ったり…… お金に関して 自分も元々昆虫の研究をしていたが、あまり社会に必要とされることがないな(お金が回ってこない)と感じて、哺乳類の研究に移ってしまった。しかし、本当にいい研究というのは著者のような好きから始まる圧倒的な熱量のもとにこそ生まれるんじゃないかと感じた。
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