
きらた
@kirata
2026年1月7日
五つの季節に探偵は
逸木裕
読み終わった
―子供のころから、熱中というものを知らなかった。―
同級生に頼まれ、先生を尾行することになったみどりだったが、自分に探偵の能力がある事に気付く
それと共に、自分の中に厄介な性質がある事にも‥‥
春から始まり春に終わる、5つの話を収録した連作短編集
ジャンル的には日常の謎系に含まれるのだろうか?
イヤミスではないのだが、毎話後半近くで嫌な感覚が漂うのは、本作の特徴のひとつだろう
探偵役は1話目から変わらず“みどり”であり、彼女の成長譚として読む事も出来る
個人的に最も印象深かった話は3話目にあたる「解錠の音が」
奥野さんがこの話のみなのはもったいない気がした
なお、彼女自身が自分の歪んだ資質を自覚してる分、それ以降(「解錠の音が」以降)はマイルドになっていくように感じたのが幸いかも知れない
あまり同調出来る人物像ではなかったが、探偵と言うものは、みどりのような資質を大なり小なり持っているのだろうな、と感じはした
そこにスポットを当てるかどうか、探偵に自覚があるかどうか、で、こう言う作品も生まれるのだなと目の覚める思いを抱いた
ビターエンドに耐性がある方にはお勧め出来そうな気がします
話の結末はさっぱりしてる感じなのですが、強めな苦味が紛れてるのです
続編やみどりが出ている作品もあるらしいので、買う機会に恵まれたら手に取ろうと思っています



