
読書日和
@miou-books
2026年1月8日
読み終わった
一般にはほとんど知られていない元陸軍中将・根本博の数奇な人生を描いたノンフィクション。近代史、そして台湾と日本の関係史の文脈で勧めてもらい手に取ったが、想像以上に胸を打つ一冊でした。
本書から伝わってくるのは、明治生まれの日本人が抱いていた「大義に生きる」という感覚の強さ。金門島や台湾で戦った人々は、それぞれ異なる立場や事情を背負っているにもかかわらず、互いの「義」を通じてつながっていく。その人生模様が重なり合う過程に、人間ドラマとしての面白さがありました。
蒋介石についても、教科書的なイメージとは異なる視点が提示されています。人物像そのものを賛美するのではなく、あくまで根本博とのあいだに結ばれた「義」に焦点を当てて描かれており、その関係性が清々しく感じられたのが印象的でした。(人物についての評価は分かれるところも大きいと思う、自分自身も揺らぐ)
次に訪れるときには、中正記念堂であの花瓶を眺めてみたい、と思わせてくれる本でした。
