きよこ "薬指の標本" 2026年1月8日

薬指の標本
薬指の標本
小川洋子,
小川洋子(1962-)
博士の愛した数学以来の小川さん。温もりではなく、どこか夜の影が強いのに、透明な空気、消えそうな儚さのある雰囲気に驚いた。自分の寿命、人との出会い、今の自分のままでいられる保証なんてなく、これから起こる少し先の未来を人は知らないまま生きている。自分の感情に向き合うのには体力がいる。どうしても離れられない気持ちに情況にからめとられ標本になることを決める彼女。一方で存在した記憶をとどめておくために、かき氷の器を持ち帰る彼女。忘れられたくない、忘れたくない想いの形はそれぞれで、静かな美しさが残る本だった。
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